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拝啓 silly foolsさま

タイは撮影自由、でもこれは無礼だな

昨晩のLiveの耳鳴りがまだ消えない……
もっと大きなハコだった
ラチャダーのDance feverのときさえそう思ったが。
とにかくタイ人観客の歌声がうるさい。
みんな、声を「張り上げて」何百人も歌うもんだから(怒鳴って歌ってるみたいな)
鼓膜にビリビリ響いてくる。
タイ人がいかに歌好きかと言っても……もう少しやさしくお願いします。
Voトーの声を聞きたいので。


Silly Foolsは名実共に、現在のタイrock最高峰のBand。
ボクが彼らを最初に聞いたのは、エンポリのCD屋で店員に勧められて聞いたのが始まりで、
とにかく演奏の質が高いことにびっくりした。
音の質感ですぐ思い出したのがLiving Colour(ミックスチャーの黎明期の雄)。
しかし、一般的に彼らの音楽を評する場合には
オルタナやハードコアなる括り、バンド名ならリンキンパークやリンプビズキットなどが挙がる。
シリーは今年始めに待望の6th Album、 KING SIZEを発表し、ヒットも飛ばしたが、
同アルバムの評判は可もなく不可もなく、といったところ。


シリーについてボクはなかなか書くきっかけがなかったが
もう2度もLIVEを見たし、CDも全作聞いたし、そろそろ腰を上げるべきと思っていた。


ボクのsilly評はずばり(バンドとしてのスケールに比較しての)「楽曲の弱さ」。
単純にイイ歌が無いんですね、シリーは。


たとえばロックの王道とも言うべき「リフの歌」が異様に少ないのも彼らの特徴。
ボクは同じ事務所(モアMUSIC)の仲間であるLoSo(との差別化)を
かなり意識しているように思っている。
いわく俺達はLoSoとは違うんだ、と。
リフをやってしまうとLoSoと同じになる、と。
しかし、リフの優位性はロックではもはや定説。
ZEPの名を挙げるほどまでもなく、ロックの歴史はリフの歴史でもある。


ボクはシリーのリフSONGが聞きたいんですよね、まず。
彼等がやればLoSoと同じにならないのは明白なんだけどな...


そして、楽曲。別の言い方をすればステージの曲構成、
これにも多いに不満。
先に書いてしまいますが、
ボクは彼らにアサニーワサンの♪タンタンティルーをliveでやって欲しいと想っている。
いや、やるべきだと想っている。
(Voのトーがアサニーのトリビュートアルバムで既にCover済)
つまり彼らには、ぜひ「歌」を意識して欲しいということだ。
誰もが口ずさめる……なんてことは言わないが、
今のsillyの歌は、彼らのBand soundでこそ再現可能なもので、
メロディだけを浮かばせれば、それは決して頭に残る種類のモノではない。
その証拠にカラオケ(のアチャラケなオケ)でシリーを歌っても
思いのほか雰囲気が出なく、興ざめしたりする。
マチュアバンドがpubでカバーしてもピンと来ない。
だってシリーの曲は
シリーのアレンジでないと成立できない(かっこよくない)楽曲ばかりなんだもの。
(タイ人はそんなことお構い無しですけどね)


別の角度から言えば
それだけ彼らの楽曲の質は高い(再現が難しい)ってことなんです。
しかし「歌」としては、思いのほか、頭に残らない。


Sillyがリンキンのcoverをステージでやるのは“絶対に”格好悪いですよ。
ロックとしてカッコ悪い。
そうでなく、タンタンティルーをevery breath you take(by police)風に、淡々と
しかし楽しく演ることで
シリーのかっこよさが見えてくる。
そう想ってるんですね。


KING SIZE発表後、Sillyは大きな会場ではなく、
バンコクを中心としたpubサイズでのliveをひたすら繰り返している。
それはもう殆どpackageともいえるshowの繰り返しで、
果たしてそれが彼らのBandとしてのProgressにどれだけ繋がっていっているのか、
少々問いただしてみたくなる。


もともと客いじりのヘタクソなBandだけれど、もはや彼等は
タイのnumber oneバンドになってしまったのだから、
そのへんの自覚も少し必要かも、と想う。


メンバーの体重増加も気になるが、
それ以上にシリーの変革は楽曲から。
是非sillyには歌える「歌」を作って欲しい、そう想ってる。
そしてそれは、
たとえばタンタンティルーなどをstageでうたうことから気づくようになるんじゃないか、
そんなふうに僭越ながら想うわけです。


ボクはシリーにはもっと伸びてもらいたいし、伸びなければならないBANDだと想ってます。


記;タイで想う日々管理人