日本から持ってきた8ミリビデオで
トリフォーの「華氏４５１」を見る。
10年以上前にダビングしておいたものだ。
だから10年ぶりの再見になるが、
想像以上の面白さに吃驚した。
本を読む、という行為がいかに人間の想像力をかき立てるか、 ソレに対しＴＶを見ることがいかに想像力を失わせていくか、 それが、じつにストレートに伝わってくる。原作の鮮烈なコンセプトが映画の骨格を支え、 より具体的でタイトな脚本ともあいまって、 まるで21世紀にも通じる、普遍的なメッセージを持った力強い作品に想えた。
ニコラスローグの撮影も、燃え行く本 （カイエ・デ・シネマなども焼かれて映画ファン、書籍好きの人もニヤリ） や文字の接写など、シャープなこだわりが随所に見える。
ニコラスローグはこのあと Mジャガーの「パフォーマンス」や Dボウイの「地球に堕ちて来た男」の監督をしている。
話題のマイケルムーア「華氏911」効果でブラッドペリの原作も売れているようだが、 是非この映画のＤＶＤも売れて欲しいものだ。 もちろんニュープリント、デジタルリマスター盤で。
もう出てますか？ 日本の皆さん。
author;タイで想う日々-管理人
