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チェコにはあまりに残酷な結末、ですが……

ネドベドの涙、忘れられません

ユーロ準決勝、チェコvsギリシャ
延長前半終了直前のギリシャCK、ゴールに吸い込まれるボール。
その時チェコの選手は一体何が起こったのか、
よく分からなかったと思います。
「どうして、何故、我々が負けなければならないのか」
グランドに倒れこむ選手を見て、ボクもそう想いました。
サッカーの非情。
チェコにはあまりに残酷な結末……


しかし、試合は間違いなく、ずっとギリシャペースでした。
そう「点が入らなければ」どんなに攻めていても終始ギリシャペース、なのです。
そういう意味で、前半のフリーでのヤンクロフスキのシュート、
(この攻めでネドベドが負傷交代、チェコファンには嫌な感じだったと思います)、
後半のロシツキの切込みからコラーの足元、
そして(前にスペースがあれば強い)バロシュのDFを翻弄してのシュート……
これらの決定機を決められなかったのが何より痛かったです。
後半にチェコが点を決めていれば、それで終わる試合だったと思います。


しかし、ギリシャ、このチームを一体何と表現すればよいんでしょう?
大体このチーム、攻撃が全然怖くない、怖いと思わせる選手も居ない。
セットプレーも入る気がしない。
しかし何が脅威かというと、
普通、前の選手が点を取らないとDFがイライラしたりするものですが、
このチームにはそんなことは皆無。
そんなこと、DFは期待してない?(実際そうは思ってはないでしょうが)
DF中央が粘って前にパス出し、一度サイドにふって、
前が詰まったら逆サイドに流して、すぐさまゴール前にアーリークロス
そんな展開を淡々とこなしてました。
そう“淡々と”ということがポイントですね。
全員でチームの決まりごと、自分の役割を、慌てることなく遂行していく。
点は自分たちの流れになればいつか入る、
仮に点が入らなくとも、その先のPK戦で頑張ればよい。
それが自分たちの描く設計図……
最後、点を入れたのがひたすらセンターで頑張り続けたDFのデラスというのも
何か象徴的だったように思います。
チェコの選手、最後棒立ちになっていたような……ニアーでクリアーしておけば
 なんでもなかったような……)


早めに寝て、この試合をon timeで観戦できて良かったと思います。
イングランドvsポルトガルの歴史に残る名勝負、とはまた違った、
非常に印象深く、ずっと心に残るであろう試合でした。


チェコ、辛いでしょう、その気持ち痛いほど分かります。
でもね、試合見て思ったんですけど、
攻めて攻めてのfootballも、もちろん醍醐味ですけど、
なんかギリシャの粘って粘って、そうすればいつか最後に、
みたいな試合の進め方、
おもっきり地味で、見た目面白みもないんですけど、
何か、(等身大の、多くの)人の生き方にも当てはまるような……
そんな人生もあるよねぇ、そんなふうに、想っちゃったんですよね。
そんなの面白くないですか?
浪花節が過ぎますか?


いい試合だったと思います。


記:タイで想う日々管理人