撮影がズバ抜けていい。
全編手持ちだけど、フィルムの質感や光の加減が
どんなシーンでも一定。
動きもたくみに計算されていて、
ついカメラを振って、暴れてしまいたい所を我慢する感じが絶妙。
河瀬監督よりずっと年上のフランス人女性カメラマン。
ゴダールなどにも師事したという。
キャリアの違い。
映像に関しては、
彼女のおかげで一級品の映画に仕上がった。
内容は...
とにかくハセキョーの無防備なタンクトップ姿が目についた。
あんなもの自分から「犯罪に巻き込んで」と言っている様なもの。
ここから既に演出ミス。
リアリティなし、あたまでっかちの世界。
ハセキョーとからむタイ人ドライバーの男が、タイの典型的ダメ男で、でもそういう場合、
(タイのビートたけしことモムさんように)
愛嬌ある存在でいて欲しいんだけど
それもなく、ちょっと不満なキャスティング。
クライマックス近く、子供が居なくなったと
タイ人男女とフランス人、ハセキョーの4人がエキセントリックに、だらだらと絡み(喧嘩し)続けるが、
非常に短絡的なシーンで、
タイ好きとしてはかなり辛い。
タイには確かに短絡的な所もあるが、思慮深さもある。
それがタイの包容力だ。
それで長谷キョーが立ち直る、という物語ではなかったのか。
もっと老人などを絡ませて欲しかった。
「闇の子供たち」に続いてタイがらみの映画としては期待はずれが続く。
9月12日公開の小林聡美主演「プール」もかなり心配になってきた...
author:匠武士
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