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横尾忠則と映画「ミシマ」/MISHIMA : A Life In Four Chapters

横尾さんと映画、といえば「新宿泥棒日記」以外でも鮮烈な想い出があります。
ポールシュレイダー監督作の「Mishima」(日本未公開)。

主人公の知人の、日本画家として登場する横尾忠則
主人公(沢田研二)はボディビルをやっている。
ある夜、マッチョな友人(倉田保昭)と屋台ラーメンを食べている。
マッチョな倉田が言う。

「例えミケランジェロでもロダンでも、結局は人間の身体を石かなんかで掘る訳だ。現に生きた(美しい)人間の身体があるのに。要するに芸術家なんて要らないんだ」
横尾は答える。
「あなたの言ってることが正しいとしましょう。歯を食いしばって、汗を流して、その生きた芸術作品が出来たとしますね。しかし、それが老いさらばえることはどうするんですか? その美しさはどうなるわけ? 作ったあなたがどうにかしなきゃならないんだから。
だから一番美しい時に死んでしまえばいいんですよ」

You must commit suicide at the height of your beauty.

たったワンシーンしか出てこない横尾さん、
横尾さんが言うからこそ、夢物語の中にリアリティがでてくる。
大学時代、ビデオで見ただけですけど、
そのキャステイングも含め、すごい、鮮烈に心に刻まれています。

http://www.youtube.com/watch?v=p4bnjL1-878&list=PLC7A3F60049AB85BC